大使挨拶

令和7年1月9日
この度、ソロモン諸島に日本国大使として着任いたしました樋口惠一です。これまでは、経済分野、特に貿易関連の業務に従事する機会が多かったのですが、直近はタイ国のチェンマイで総領事を務めました。大洋州地域での勤務ははじめての経験ですので、初心に立ち返り、日本とソロモン諸島の友好親善関係の一層の増進に微力を尽くす所存ですので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
我が国は、1978年のソロモン諸島独立と同時に国家承認を行い、長きに渡り友好な関係を築いていてきました。経済分野では漁業協定を結んでいることから、ソロモン諸島のEEZ内で日本漁船が日本の国民魚とも言えるマグロ業を行っています。
また、日本では、第二次世界大戦中に日本軍と米豪を中心とする連合軍との間で交わされたガダルカナルの戦いのことをご存じの方は多いようです。この戦いで命を落とされた方々の遺骨の収集や慰霊行事は毎年行われていますが、これもソロモン諸島政府と国民の皆様の協力の上に成り立っていると認識しています。
ソロモン諸島政府は、政府の財政安定化、国民の経済基盤向上を目標に掲げ、ソロモン諸島国内経済の底上げに力を入れていると伺っています。我が国はこれまで無償資金協力や技術協力支援を通じてインフラ整備や関連する各種協力事業を実施してきました。今後も我が国はソロモン諸島にとって頼りになる友好国としてソロモン諸島の社会、経済の発展に寄与していくことが重要と私は考えております。具体的な分野としては先述した漁業に限らず、鉱業、林業、農業や観光業を含むサービス産業での成長に期待する声を耳にする一方、全世界的に価格が高騰している電力・エネルギーが経済活動に与えるマイナスのインパクトを和らげる方策に対する期待も高いと伺っています。在任中はこれら各分野で活躍される専門家の方々やソロモンの社会、経済発展に貢献したいとの志を共有される方々から協力を仰ぎつつ、ソロモン諸島の更なる発展に向けて努力する所存です。
加えて、在任中はソロモン諸島の若い世代の方々がこれまで以上に日本に対する関心を高め、日本のことを知っていただくために尽力したいと考えています。そのためには私自身がまずできる限り多くの機会を捉えてソロモン諸島の言語や文化、自然に触れ、学び、それを日常の業務の中で活かしていくことを心がけよう、と考えています。
我が国は、共通の価値と原則を共有する国としてソロモン諸島の独立以来、友好関係を築いてきました。カプ総督へ信任状を捧呈した後は、できるだけ早く多くの方々とお会いし、両国の関係を新たなステージに上げるべく、最大限の努力をしていきたいと思っております。
皆様からの御支援、御協力を賜りますよう、何卒よろしく御願いいたします。

 
令和7年1月
駐ソロモン特命全権大使
樋口 惠一